【レポート】AWSデータベースへ移行:コスト削減、成長、イノベーションへの自由 #AWS-11 #AWSSummit

【レポート】AWSデータベースへ移行:コスト削減、成長、イノベーションへの自由 #AWS-11 #AWSSummit

Clock Icon2021.05.15

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どうも、コンサルティング部の後藤です。

本記事はAWS Summit Online 2021のセッション『AWSデータベースへ移行:コスト削減、成長、イノベーションへの自由』のレポートになります。

AWSのマネージドなデータベースサービスへ移行する事によるメリットや事例等が紹介されていました。

セッション情報

タイトル

AWS データベースへ移行: コスト削減、成長、イノベーションへの自由

概要

現在、多くのお客様に AWS が提供する幅広いマネージドデータベースサービスをご利用いただいています。AWS のサービスに移行する背景としてコスト削減がありますが、商用データベースのライセンスに対して自社のビジネスの成長が制約される可能性についてリスクと捉えているお客様もいらっしゃいます。このような中、AWS では商用グレードの信頼性、性能などを提供しながらコストを削減し、イノベーションを加速させる Amazon Aurora を提供しています。さらに、ツール、プログラム、専門家を提供することで、データベース移行を支援します。

スピーカー

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 技術統括本部 レディネスソリューション本部 データベースソリューション部 シニアソリューションアーキテクト 新久保 浩二

レポート

AWSへのデータベース移行の勢い

データベース移行する方法は幾つかありますが、2015年にデータベースマイグレーションサービス(DMS)をリリースしてから、DMSを活用してAWSに移行したデータベースの数は約350,000にもなるそうです。

DMSを活用してデータベースを移行した事例として Samsung様の事例を取り上げていました。

Samsung様ではOracleからAmazon Auroraへの移行を18ヵ月のスケジュールで完了することができ、移行したことによりコストが44%程削減、90%の時間で60ミリ秒以下のレイテンシーを実現出来ているとのこと。

フルマネージドデータベースサービスへの移行

オンプレミス上で稼働させている自己管理型データベースの課題として、以下の事を挙げられていました。

  • ハードウェアとソフトウェアのインストールや設定、パッチ適用
  • パフォーマンスと高可用性の問題
  • 処理能力とストレージ容量に対するキャパシティプラニングとスケーリング
  • 日々変化するセキュリティとコンプライアンスへの対応

これらの課題はフルマネージドデータベースへ移行する事で解決出来るとのこと。

また、フルマネージドデータベースに移行するメリットとして、以下の事を挙げられていました。

  • 俊敏性の向上
    • 素早い作成と削除が可能
  • コストの削減
    • 必要なときに立ち上げ、不要なときは削除できる
  • 性能と拡張性
    • ピーク性能を用意しておく必要はない
  • 迅速なイノベーション
    • アプリケーションに注力する事ができる

フルマネージドデータベースの種類

AWSが提供しているデータベースサービスには様々な種類があり、用途にあったデータベースを利用することが大事で、リレーショナルデータベースと、ノンリレーショナルデータベースで分けられていました。

  • リレーショナルデータベース
    • RDS(Oracle、PostgreSQL、SQL Server、MySQL、MariaDB)
    • Aurora(MySQL互換、PostgreSQL互換)
  • ノンリレーショナルデータベース
    • キーバリューストアである:DynamoDB
    • MongoDBに互換性:DocumentDB
    • Cassandraに互換性 : Keyspaces
    • Redis、Memcachedに互換性 : ElastiCache

マネージドデータベースへの移行

RDBの商用ライセンス(OracleやSQL Server)等を利用しているケースの移行として、「データベースの管理負担を軽減したい」、「既存のアプリケーションの再設計が不要」、「パフォーマンスやセキュリティの向上」を解決したい場合はシンプルにRDSの移行を推奨されていました

RDSは様々なRDBのエンジンに対応しているため、再設計不要でそのまま移行したいケースに当てはまりやすいとのことでした。

MongoDB、Cassandra、redis、Memcached等のノンリレーショナルデータベースの場合は、DocumentDB、Keyspaces、ElastiCacheが移行先として挙げられていました。

こうした移行を行った事例として、象印マホービン様と日本食研ホールディングス様の事例をセッションでは挙げられていました。

象印マホービン様の事例では今年6月のフルクラウド化を目指し、現在もOracleで稼働している基幹システムをAWSに移行している最中だそうです。断続的に発生するサーバ保守やリプレース作業をAWSのマネージドサービスを利用することで解決させているとのこと。移行後は3割ほどのコスト削減が出来たそうです。

日本食研ホールディング様ではビジネスの拡大に合わせたスケーラブルなインフラが必要でAWSに移行。運用負荷の軽減ができ、日中のバッチ処理が80%、夜間のバッチ処理も50%の高速化が出来たとのこと。また移行にはDMSを利用したことでダウンタイムも最小限にとどめることが出来たそうです。

レガシーデータベースからの脱却

商用ライセンスのデータベースでは高額なライセンスコストだったり、ロックイン等の様々な制約が発生してしまうため、MySQLやPostgreSQL等のオープンソースのデータベースに移行がしたいが、性能や信頼性に不安を思うお客様が多いとのこと。

AWSでは商用グレードのデータベースサービスとしてAmazon Auroraを提供しています。Amazon AuroraはMySQL、PostgreSQLに互換性があるリレーショナルデータベースで商用グレードの性能、可用性を1/10のコストで実現しています。

ノンリレーショナルデータベースの場合、キーバリューストアでフルマネージドサービスのDynamoDBも候補してあげられるとのこと。

また、クラウドネイティブを行った事例として、損保保険ジャパン様、住信SBIネット銀行様の事例が挙げられていました。

損保保険ジャパン様では個人向け安全運転支援サービス「DRIVING」をリリースしており、そのDBにAuroraとDynamoDBを活用して24時間365日で稼働させているとのこと。

住信SBIネット銀行様ではFICSへの適合に関する情報や第三者による認証、内部統制等の情報が外部に公開されていることから信頼性について安心感があり、OracleからAurora PostgreSQLに移行したとのこと。

移行方法について

AWSではデータベース移行に関して、以下の観点で支援が可能とのこと。

  • DMSやSCTを活用したツールによる支援
  • ソリューションアーキテクト等による専門家の支援
  • データベースフリーダムプログラムやデータベースマイグレーションアクセラレーター(DMA)のワークショップ等、トレーニングプログラムによる支援

データベースフリーダムプログラムはDB移行に関するアセスメントの支援ができ、DMAは実際の移行や変換作業をAWSの専門家がサポートするプログラムのようです。

最後にデータベース移行の支援を行うパートナー会社も紹介されております。もちろん弊社も実施しておりますので、ご支援が必要な際はお問い合わせ頂ければと幸いです。

所感

AWSのマネージドデータベースの活用は開発やコストの観点からも非常にメリットがあります。今回紹介されていた事例でも移行したことによるメリットが多く紹介されていました。また、AWSのデータベースサービスは数多くあり、様々なデータベースの種類に対応できることが分かるセッションになっていると思います。気になる方は是非セッションを確認してみてください。

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